Kaguya's Memory
「続きを読む」から参照できます文章は、
Twitterにて開催の #エアECOサミ にて公開した動画、
『Kaguya's Memory』
の設定となる妄想()を書き起こしたものです。
小説でもなければモノローグにもなっておりませんけれど、
動画のお供に読んでいただきましたらと思い、公開いたしました。
よろしければご参照くださいm(_ _)m
(急遽追記)
各動画等のリンク先
エアECOサミ 『Kaguya's Memory』リンク集
【本編】 ※DL版の公開は終了しました。
YouTube
>https://youtu.be/LX1Qwk00cWY
>http://14.gigafile.nu/1224-j17e56dd91c50e1013e3759a924f2661e
DL低画質
>http://14.gigafile.nu/1224-d295ab9b9a23ba7e1ed29525725cb6915
【メイキング】 ※DL版の公開は終了しました。
YouTube
>https://youtu.be/gvKnYovZuwg
>http://14.gigafile.nu/1224-m75e296ffdda9317d8b1b819722cf5c94
DL低画質
>http://2.gigafile.nu/1224-c116d0ab60229386b35d75bcc51ea3ec2
【音声なし『INFINITY』】 ※公開終了しました。
>https://youtu.be/eZBjE3SjnsE
DL高画質
>http://2.gigafile.nu/1224-kd3d0c44e3c092ae9d4c6318f535ed847
DL低画質
>http://2.gigafile.nu/1224-kb0db4f474933c6e369533a2a6d48293c

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『Kaguya's Memory』

最初に起動した場所は月面基地のラボ
OSと共に各プログラムの最終チェックが終わり、専用に開発されたハードウェアの起動と共にプログラムが走り出す
疑似感情プログラムや学習システムを備えて、接続された各種ネットワークを駆使して、すぐに現状を把握した
何回か修正を繰り返した後、試験運用を繰り返して安全性を確認してから本格稼働を始める
新規に開発、既に運用を開始していた新しいGPS衛星や主要地域上空に位置する天頂衛星、さらに都市部ではビーコンも利用して正確な位置情報を取得している
ユーザーの持つ端末からホログラムを生成、利用者を音声と共に視覚的にもわかりやすく誘導する
見た目にはすぐにホログラムとわかるものの、疑似感情プログラムや学習システムのおかげで、まるでヒトと接しているように案内をこなす
広域ナビゲーションシステム カグヤ
最初の開発者の出身地と月面基地で誕生した由来からそう名付けられた

問題なく運用が続けられていたある日、その時は訪れた
最初に異変が観測されたのは、南極大陸
次元断層を研究する国際機関が設置した研究所で起きた
不測の事態が起きた場合に備えて影響が少ないようにと選ばれたその場所
予想もしなかった空間に研究施設は飲み込まれた

様々な方法でその空間の観測を行ったものの、ほとんど何もわからなかった
はっきりとわかったのはただ何もない空間があるということだけ
近づいてのぞき込むだけで吸い込まれそうな感覚に襲われるその空間を、ヒトは“虚無”と名付けた
記録では、虚無が現れる少し前から研究者たちの様子が一変する現象があったらしい
治療法などの研究が始まったばかりだったが、詳細な記録と共に虚無に飲み込まれたため、具体的なことが謎となってしまった
研究者のこうした異常も伝えられたことから、人々はたまたま起きた人為的な事故としてしか認識せず、データでも虚無とその周辺を立ち入り禁止区域として登録するだけだった
それからあまり時間が経っていないある日、状況が変化した
突然、大地や草木が虚無の空間となってしまうという情報が届き始めた
どれも研究施設も何もないところで起きている
何回か虚無が発生するうちに、人的な被害も出るようになっていった
ランダムで起きるその現象は徐々に起きる間隔が短くなっていった
虚無の発生が繰り返されるうち、その発生の直前に微弱ながら電磁波の変化など、前兆があることがわかるようになる
急遽カグヤに、その前兆現象を観測し、人々をその発生予想地点から遠ざけるようにする避難誘導プログラムが組み込まれる
地震や津波、さらには隕石の飛来でも対処できるプログラムも備えていたものの、想定もしていないプログラム改修
でも、いつしか芽生えていた人々の役に立ちたいという想いから、学習能力を注ぎ込み、自己改修を繰り返して精度を上げていった
しかし、虚無の発生は収まる気配がなく、むしろどんどん間隔が短くなっていく
様々な観測データ、情報を基に人々の間で対策について話し合われるも、実を結ぶことがなかった
白いオーロラのようなもの、目に見えない波、クジラのようなカゲ、辛うじて逃げ延びた人々から目撃情報や映像・画像が寄せられたものの、この現象を解明できそうなものが見出せなかった
いつか収まって欲しい、それまではなんとか人々を安全な地域に誘導し続ける
そう望むカグヤに対して、いつしか人々は感謝するようになっていた
カグヤ自身は、ヒトの手で生み出されたプログラムに過ぎない、この感情や考えもそのプログラムによって作られた物に過ぎないという“自覚”がある
けれども人々は、それを伝えても、それでもやっぱり感謝したいと言う
それに応えるためにも、カグヤは、人々を誘導し続け、虚無の発生が収まることを願った
でも、それはかなわなかった

それまで、都市規模の大きさながらも限定的な面積でしか発生していなかった虚無が、突然、急速に拡大していった
拡大を始めたのは南極大陸で生じた最初の虚無
ほどなくして北米大陸やユーラシア大陸でも拡大を始める虚無が現れた
拡大は収まる気配はなく、むしろ加速していく
もう逃げ道はない---そうわかったものの、それでも拡大する虚無から離れられる道を示す

虚無は、大地を、地球そのものを飲み込んだ
感じていた衛星や通信施設からのリンクも全て途絶えてしまった
ただ、地球があったはずの何も存在しない空間を、見つめるしかなかった

月面基地に残された数少ない人々、その人たちとしばらくは過ごせた
けれども、地球がなくなることを想定していない月面では、食糧の生産手段がほとんどなかった
長い時間を待たず、カグヤはその人々を看取ることになってしまった
カグヤ自身もいつまでも稼働できないことがわかっていた
地球という要を突然失った月は、本来の地球の公転軌道からもはずれ、軌道が乱れてしまった
太陽系をさまよい続けることもできず、木星と土星の引力の影響を受けて速度が変化、太陽系の脱出速度まで達してしまった月は、太陽系の外縁に向かって進み続けていた
太陽光パネルからの発電が徐々に失われる中、少しでも長く稼働できるように燃料電池に蓄電、でもそれも限界が来るのはわかっていた
カグヤが残された時間でやりたいと思ったことは、地球で起きた出来事の記録を残すこと
特に虚無に飲み込まれるきっかけとそのあとの現象の記録を、いつかこの広大な宇宙空間のどこかにいるかもしれない生命体に拾われて、役立ててもらう
情報を様々な種類の記録媒体にデジタルデータとして保存すると同時に、もっとも長持ちすると言われる原始的な方法、金属や炭素、石板といったものに、過去の地球からの情報で得た思いつく限りの方法で残した
虚無に関する残せる情報はすべて書き留めた
優先順位を最後にした、まだ虚無が発生する前の、人々を誘導したときの映像と音声の記録
少しでも多くこのデータを、例え長く保たないとしても保存しておきたい

もう太陽光が微弱となって発電できない
燃料電池も尽きてしまっている
残された非常用のバッテリーでデータをチェックし続けた
チェックの過程でデータを見ることになる
ヒトの笑顔が懐かしい
もっと見ていたい でももう時間がない
チェックは間に合った
保存媒体をできるだけ長持ちするように、安定した頑丈な格納容器に収納する
もう1度、人々の笑顔を見返したい
でも、もう自分のメモリーに残されたデータを再び映像として再生する時間もない
広域ナビゲーションシステム カグヤ Ver.1.05.1209
シャットダウン-----
シャットダウンしたら時間の概念もない
だから、どれくらいの時間を経たのかもわからない
何が起きたのかもわからない
でも、懐かしい人々の声が聞こえる
聞いたことがない言葉 それでも人々の賑やかな話し声ということはわかる
いったいここは-----
そう思った瞬間 急に辺りが明るくなって どこかの街に降り立ったような感覚がした

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※ この設定書き(?)は、ECO(Emil Chronicle Online;エミル・クロニクル・オンライン)の通年イベント『神魔の来訪 タイニー・かんぱにー ~憑依研究編~』で登場するカグヤとその設定を元に、当ブログ管理者「アンゼット」が勝手に妄想爆発で押し拡げた“非公式”の創作話です。
公式が設定しているカグヤの設定とは大きくかけ離れている可能性大です。
テーマ : エミルクロニクルオンライン
ジャンル : オンラインゲーム